むち打ち症状と後遺障害14級該当性

後遺障害等級14級9号とは

他覚所見のないむち打ち症状で痺れや痛み、違和感などが残った場合、これが後遺障害等級14級9号(局部に神経症状を残すもの)とされるかどうかは本当に大きな問題です。
そもそも事故後の症状に対応する明らかな他覚所見(医学的に症状が証明されるもの)があれば12級に該当するので、14級に該当する場合はそれに至らない(医学的な証明には至らないが説明は可能なもの)となるわけですが、その分かれ目はかなり曖昧で、その一方で非該当とされるか14級にあたるかで補償の差は倍くらい違っています。

非該当と14級該当の差はどこに?

このように、同じ他覚所見ない事案でも非該当とされるか、14級に該当するとされるかでは大きな違いです。14級は後遺障害等級でも最も低い等級ですが、それに該当する場合には後遺障害慰謝料(裁判では110万円程度が認められることが多いです)のほかに、5%程度の労働能力の低下を前提とした逸失利益が認められますから、結果として最終的な補償の金額は大きく変わってくることになります。
14級該当性判断は、基本的には自賠責での事前認定の結果によるわけですが、その差はどこにあるのでしょうか。

理由付けは「将来においても回復が困難と見込まれる」こと、その背景に通院実績

他覚所見はないが、14級9号に該当するとされる事案に共通している事案で理由付けとされているのは、「他覚的に神経系統の障害が証明されるとは捉え難いものの、治療状況や症状経過等を勘案すれば、」「将来においても回復が困難と見込まれる」ことです。その裏付けとなっているのは恐らく通院実績であると思われます。
短い通院期間で14級9号に該当するとの評価を得るのは難しい面があり、また、通院期間が長くとも通院日数が少なければ後遺障害に該当すると評価されるのは難しい面があります。
他覚所見を伴わない神経症状の後遺障害等級該当性は通院実績によるところが大きく、ここに言う通院実績は通院実日数と期間、そしてその間を通じた主訴症状の一貫性です。

通院実績と14級該当性判断の傾向(具体例)

通院実日数85日、通院期間230日(非該当)
通院実日数110日、通院期間260日(非該当)
通院実日数102日、通院期間289日(併合14級)
通院実日数119日、通院期間313日(14級)

評価・検討

上記のうち、通院実日数110日、通院期間289日というのは極端に長期というものではありません。保険会社は事前認定は必要ないと考えており、主治医に書いてもらった後遺障害診断書もほとんど記載がないものでした。しかし、実際には、首も腰も14級9号に該当するとして併合14級が認められています。
他覚所見のないむち打ちで後遺障害と認められるにあたり、通院実績が重要な要素になるとはいえ、たくさん通えば後遺障害と認められるというほど単純なものではありません。しっかりした評価を得るためのヒントは、後遺障害等級を得るためではなく、あくまでも完治に向けた通院実績を残すことです。

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