事業所得者の休業損害

原則として「現実の収入の減少」が補償の対象

事業所得者の休業損害の算定は現実の収入減があった場合に認められます。したがって、現実の収入の減少がなく、事故の前と同じように仕事ができていた場合には休業損害は認められません。
家事従事者(主婦)の休業損害は、実際に家事ができなかったかどうかを厳密に考慮せずに認められやすいことと対照的です。

本当に減収がないと認められない?

実際には、目に見えて減収はないけれども、本来もらえたような収入がなくなってしまったり、減収がなかったことが特別の理由(家族に手伝ってもらったなど)による場合もあるでしょう。そういった場合にも認められないのでしょうか?
実は、そうではありません。

特別な事情があれば減収がなくとも認められる

裁判例は次のような場合に減収がない場合の休業損害を認めています。
・事故後も家族の協力で事業を継続し、減収がなかった場合
・事故の前にした営業成果の効果があったため、減収がなかった場合
・事故前に受注した仕事をしていたので減収がなかったが、事故によって新たな仕事を受注できなかった場合

これらの裁判例をまとめると、「事故前後を通じて目に見えて減収はないものの、他の人の協力がなければ減収はあった、または、事故がなければ収入は増えていた」場合といえるでしょう。

固定経費の扱い

事故があった場合も、固定経費の支出は待ってくれません。例えば、仕事ができなくなったとしても、地代家賃は容赦なく毎日発生します。
もし、事故の怪我で売上が0円になったとき、毎月の所得が50万円で地代家賃が20万円であれば、50万円の補償だけでは十分ではありません。ですから、固定経費として地代家賃の20万円を加えた70万円が休業損害として補償されます。

このように、事業者の休業損害の算定にあたり、「固定経費は収入に計上する」ことになっています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。